桝田酒造店は、富山県岩瀬に本拠を構える酒蔵で、1877年（明治10年）創業の長い歴史を誇ります。そのルーツは初代・兵三郎氏が北海道旭川で酒造業を始めたことに遡り、後に故郷の岩瀬へ戻り「満寿泉」という銘柄を立ち上げたことが今日の基盤となっています。この銘柄は昭和初期に誕生し、現在では主力商品として広く愛されています。 四代目当主・桝田敬次郎氏は大学院で醗酵工学を専攻後、22歳で酒蔵を継承。昭和40年代にはまだ市場で認められていなかった吟醸酒造りに挑戦し、その結果、全国新酒鑑評会での金賞受賞を重ねるなど、大きな成果を挙げました。 「満寿泉」の酒造りは合理性を重視しながらも、伝統的な手法へのこだわりが随所に見られます。例えば麹室の改修では、杜氏と蔵人が自ら材料を持ち込み、昔ながらの方法で作り上げました。さらに、地元の風土を活かした原料米と奥能登の杜氏たちが醸す酒は、深い味わいと時代に合わせた進化を続けています。 桝田酒造店は、時代の変化に対応しながらも、伝統と革新を調和させた酒造りを追求し続ける酒蔵です。

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