香住鶴は、兵庫県の伝統的な酒造りの技法を継承しつつ、手間のかかる「生酛造り」や「山廃仕込」にこだわり続ける酒蔵です。1910年に登場した速醸酛が全国的に普及する中、昭和42年に「山廃酛」を再導入し、さらに1999年には「生酛造り」にも挑戦。これにより、乳酸菌を自然に生成させ、旨みとまろやかさを引き出す独自の風味を実現しています。 原料米には、「山田錦」「五百万石」などの酒造好適米を使用し、蔵人自らが栽培する「兵庫北錦」も取り入れています。仕込み水は兵庫県の清流・矢田川の伏流水を利用。この軟水がもたらす優しい口当たりが香住鶴の特徴の一つです。杜氏や蔵人が丹念に造る酒は、海産物が豊富な但馬の料理に合う淡麗で旨みのある味わいが際立っています。香住鶴は、伝統の技と現代の工夫を融合させ、日本酒の奥深い魅力を追求し続けています。

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